次の日の晩方になって、森がもう黒く見えるころ


次の日の晩方になって、森がもう黒く見えるころ、おかあさんはにわかに立って、炉に榾ほだをたくさんくべて家じゅうすっかり明るくしました。それから、わたしはおとうさんをさがしに行くから、お前たちはうちにいてあの戸棚とだなにある粉を二人ですこしずつたべなさいと言って、やっぱりよろよろ家を出て行きました。二人が泣いてあとから追って行きますと、おかあさんはふり向いて、 「なんたらいうことをきかないこどもらだ。」としかるように言いました。(青空文庫:グスコーブドリの伝記)

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