おれは森へ行って遊んでくるぞ


けれども春が来たころは、おとうさんもおかあさんも、何かひどい病気のようでした。  ある日おとうさんは、じっと頭をかかえて、いつまでもいつまでも考えていましたが、にわかに起きあがって、 「おれは森へ行って遊んでくるぞ。」と言いながら、よろよろ家を出て行きましたが、まっくらになっても帰って来ませんでした。二人がおかあさんに、おとうさんはどうしたろうときいても、おかあさんはだまって二人の顔を見ているばかりでした。(青空文庫:グスコーブドリの伝記)

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