花が咲いただけで
そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。(青空文庫:グスコーブドリの伝記)
Kui Mikan's Ownd
そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙みぞれがぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播まいた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物くだものも、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。(青空文庫:グスコーブドリの伝記)
0コメント